まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

オルタナティヴ・ミミック

 

・梗概を提出。

 

あらすじ:

スパイ型ロボットとしてつくられたヒューマノイド、アレックスは、さまざまな人格をとりこみ、任務中に多くの人間をだますことができた。しかし、人格を変えすぎた彼は電脳を損傷し、解離性同一障害(多重人格)になってしまう。

 彼の電脳の中には、これまでの任務でなりかわってきた人格たちが同居していた。寂しがり屋のジュリア、アレックスを嫌う男ウォルター、強気なカレン、そして自分を人間だと信じて疑わない少年ソラ。

 研究所で療養中の彼は、トラウマを克服して任務に復帰することができるのか。

 

(アレックスと4人の副人格の、一人称、語りで話が進んでいく予定)

 

・前に長編で書いていたアレックス君をアレンジし、多重人格に。
・あらかじめいろいろ設定は決めていたため、自分の頭の中で決まっていることが、梗概でうまく表現できるか不安だった。つまり「こうなってるのが当然でしょ?」と、読み手と書き手の前提条件が解離しまくってるか不安だった。おそらくその不安は的中している。

意見交換会で出たこと。

 

★そもそもの前提などが説明不足(かもしれない)

 アレックス等のヒューマノイドはオーダーメイドであり、あまり替えがきかない。結構な額の費用と手間がかかったプロジェクトなので、そんなにすぐに廃棄もできない。ただここでのアレックスの稼働で、今後のヒューマノイドの心理プログラムのアップデートが見込まれる。時代的にはヒューマノイドもそこそこ広がりつつあるが、まだ人間らしい振る舞いなどは苦手。

 

★ アレックスはほかの人格のときの記憶はあるのか?
 正常なときは当然あったはずだが、療養中は未定。ストレスを避けるために人格を変えているので、記憶がないときもある、くらいが無難か。まったく記憶がないと話が進まなさそう……。

★ アレックスと副人格たちの力関係がわからない。
 正常なときはアレックスが主導権を握っていたが、ころころ人格を変え続けたので、副人格に主導権をやや乗っ取られ気味。

★ 副人格は消去したり、着脱可能なのか
 正常なときは(ry 、もともと着脱可能で、任務を終えたらその人格は不要になり、消去可能。今回はアレックスがなぜか副人格を同居させており、人格が記憶や電脳と密接に絡み始めたため、無理に人格を消去させると危険な感じ。(じつは罪悪感のために、消去させる予定だった副人格を消去できなかった……とかもありかも)

★ アレックスは顔も体形も変わるのか
 骨格がちょっと変わる、くらい。肌の色や髪の色までは……どうだろう。身長がにょきにょき変わる方法が思いつかない。(ただそれくらい変わらないと、すぐにスパイとして特定されるかもしれない)。

★ ほかの人格はアレックスを認識しているのか
 未定。ただ認識していないと話がさっぱり前に進まなさそう。まったく記憶がない人格もひとりくらいはいて良いが、全員だと厳しい。
 アレックスは暗い暗い療養中なので、あまりストーリーをガンガン進める役ではないかもしれない。むしろほかの人格が「アレックスが壊れてるみたい」と解説させたほうがいいかも。本人がボロボロ感がでるかも。

 

★ スパイロボットなら、ガンガン任務をこなしてアクションさせたほうがいいのでは
 あまり作者が好きでないのと、任務をこなす話にすると、長期連載の1話みたいになりそうなのが不安。任務にアレックスの出生の秘密や、引退のきっかけ、製作者たちへの反逆などを混ぜないと厳しい。(ロボコップや実写版のゴーストインザシェルのような)。今回は事前にたくさんたくさん任務をやって、(長期連載を続けて)、引退する最終回のようなもの。そうしないと一話完結の短編として書きにくい。

 

★ ラストはあまり解決になっていないのでは?(ネタバレ反転)
 人格のデュアルコアというか、ふたつのメイン人格が補い合ったほうが、安定するのでは、という感じ。結局どんどん人格追加するなら、最初から人格ふたつのほうがいいのでは、というか。(ただたんにアレックスが次世代の面倒を見たかったし、製作者たちも彼の人格を無駄にパーにさせたくなかった。費用的に)。
 また解離性障害の方の「自分がふだん生活していても、自分をすこし後ろで見ている気がするし、何かに感動しても膜を張ったような気がする。夢から覚めてもまだ夢のような気がする」という証言からシーンをイメージ。

 

★梗概を書くまでのスケジュール

ぎりぎりのぎり。アイデアは何となくあったが、設定は決まったもののストーリーがさっぱり決まらない。〆切ギリギリまでストーリーを考えて、最後の展開はアレックスの立場になって考えたら出た。(話が思い浮かばないときによくやる)。

資料をたくさん読んだのはよかった。やはりおもしろい設定は資料のなかに答えがある。(気がする)。