AIの遺電子 7-8
◆◆◆ 激しくネタバレ。
66.同棲:彼氏のイビキで眠れなくなっている女性。ノイズキャンセリングのデバイスを付けて一安心だが、寝室を録音すると、ひどいのは自分のイビキだった。
67.怒り:新聞記者のヒューマノイド。上司のリイチは冷静で無感情だが、昔、感情制御障害を引き起こすウイルスに罹患していた。そのウイルスをばらまいた加害者に取材を頼もうとするが……。
68.ロンド★★★:家事ロボットのロンド(無性別)とともに暮らしてきたメアリ。古いロボットは知的で詩的であり、コミュニケを目的とするロボでない限り、現在は禁じられているという。(新しいドグマ(産業AIの行動規範のようなもの)では、知的な振る舞いが抑制される。人がロボットに依存しないため)。
『利己と利他の波間に人間の愛があるとするならば、私の思いに人の血が通うことはありません』
古いロボットであればあるほど知的という設定がおもしろい。確かに依存してしまうと困る。
69.おしゃべりな引きこもり:ホームAIとの対話に頼り切り、引きこもりになっている女性のヒューマノイド(ややこしい)。スドウ先生とも一言も話さず。(診療で緊張するのはとてもよくわかる)。
70.終活
ヒューマノイド、チエさんに愛されているぬいぐるみロボット、モジャくん。遺言という形でコレクターに引き取ってもらうことに。モジャくんトイロボなのにわりと頭がいいぞ、
71.救いの教え
★★スピリチュアルなセミナーを開くスドウの同期、勅使河原(てしがわら)。いわく超高度AIがあの世を整備しており、選ばれた者だけがそこに行けるとのこと。 『私だって科学を信じます。でも科学のために生きているわけじゃない。科学が救ってくれないのなら、別の救いを求めるのが人の心でしょ』 『ヒューマノイドの死を解除するのは絶対に無理。ある意味人間の不死より難しいかも。MICHIが仕組んでんだもの。かないっこないわよ』 元は電脳の老化を研究する研究者だった。(悪質な教祖というわけではなく、あくまでスピリチュアルで人を救っているらしい) ヒューマノイドの不死が難しいという設定がおもしろい。
72.不健全アニメ★:でてるアニメがデビルマンみたいだ……。
『「悪い」とされることが増えていくのさ。車の運転がいい例だ。今じゃ自分で運転するやつは人殺し呼ばわりだ。いずれ、人間いること自体が悪になる』
73.幸福の最大化:ナイル社が世界各地に展開する特区「新世界」。7年暮らしていたヒューマノイドの女性の未来は。特区を離れた彼女は。
74.世界に一つだけの花:今までにない音楽を作ろうとするヒューマノイド。めずらしくスドウ先生がライバルの瀬戸先生を紹介。
75.新しい家族★★★:フラワーデザイナーの女性。そろそろパートナーに子供を持とうと持ちかけられる。今までとてもナゾだった、ヒューマノイドの「誕生」。この世界では、お医者さん?がMICHIに両親の資料を出し、『誕生院』というところで子供が製造される。まだ電脳も入っていない胎児から、保育器に移され、親に抱かれて「手つなぎ」をする。どういうメカニズムで作られてるかわからなかったが、超AIがやっている、ということか。
76.あるAIの結末★★:車のカーナビに搭載されたAI。搭乗者がシートベルトをはずした瞬間、自動運転により子供をひいてしまう。訴えられるのは運転手ではなく車のAIであり、30年続いたAIであるD52は消去されてしまう。(おそらく、搭乗者がシートベルトをはずしていたため、AIが強いブレーキをかけられたなかったもよう)。
77.つながり:同級生同士でつながっているトークルーム。ある日同級生のヒューマノイドが電脳を消去して死んでしまう。彼は本当に自殺したのか?(先生が研修医だったころの話)。 結局、答えは見つからないまま話は終わる。『精神と肉体の死が独立していると、残されたものはそういう風に感じがちです』。
78.依存:パチンコにはまる男性。『リアルのほうは規制ゆるいもんね。なんでも平成レベルの射幸性だとか!』
夫と奥さんの両方にインプラントをつけると、夫は未来の絶望した自分が見え、奥さんには、夫を責めすぎる自分のARが見え始めた。ふたりはリハビリに成功する。別れなくてよかった……。
どうでもいいけど、本家ブラックジャックは外科医だったが、スドウ先生は何科なんだろう……。電脳をいじれるけど心療内科とかもいけるのか。(切断された足を治したときもあったような……)。
79.妄想マシン:先生とリサが血液検査。この世界のヒューマノイドは血がちゃんとあるらしい。サバちゃんが先生とリサを登場させた妄想動画を炸裂させる。ファン歓喜。
どうでもいいが、『ジェイ、聞こえる?』『聞こえますよ。スドウ』このジェイとのやりとりがかなり好きなのだが、なんでだろう。スドウ先生がそこそこ心を開いているからかもしれない。先生がジェイにちょっとだけ優しい。
80.水槽の電脳:またまた登場『レインボウ』。「盲点」で現実かどうかわかるらしい。めっちゃすごい。
81.透明な教室:AIをまったくつかわない学校。24時間、保護者に監視された教室。AIを教育にどう使うか。久々にパーマ君が登場。
(今回はどう考えてもスドウ先生が心療内科に)
82.最後の住人
83.コンピュータ
84-86.旅立ち:とうとう超高度AIの「MICHI」が登場。ショタい。ここだけの登場?
85話からリサの過去編。そしてジェイの正体。やっぱりトビーだったぽい。(今ごろ気がついた)。
87話:お母さんのコピーとの再会。
まとめ:
ヒューマノイドの、いろいろな職業もの、記者、漫画家、考古学者、先生、アイドル、歌手。ヒューマノイドだからというより、ロボットとAIが普及した未来の職業はこうなる、という予想に近い。
ヒューマノイドが、人っぽい悩みをもったら。空腹、しゃっくり、ギャンブル依存症、性欲をなくしたい、などなど。どうやって治せばいいのか? 人間ならなかなかできない治療も、電脳やプログラムをいじることで治ることもある。ただ副作用でどったんばったん。
ヒューマノイド以外の近未来設定。超高度AIのMICHI。インプラント(脳とネットをダイレクトにつなぐ技術)、働かなくていい「新世界」、バーチャルゲーム。産業ロボット、愛玩用ロボット、ヒューマノイドはバイオとマシン系があり、マシン系はやはり古い。ヒューマノイドには寿命があり、人間と一緒に暮らすために、振る舞いを人間らしくしている。
はじめ