まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

SF乱学講座

SF乱学講座

 

・ひとりだけ部屋に入ったよ。
・ドアがなくなったよ。
・小さいタイムマシンだけ持ってるよ。
・過去に戻って、ドアから出て、Bさんに話しかける。
・Bさんにとってみれば、テレポーテーションと等しい? →
・1次元空間R1 → R 
・実数のあつまり。数直線。→
・実数2個の組、すべての集まり (1,3)(3,4)→面と同じである

・同一視

・2次元空間R2 
・3次元空間R3
・0次元空間R0

・小数の次元はある。フラクタル。いまのところ、マイナスはあるかもしれない。
・結び目の積。
・4次元空間は、実数4個の集まりのこと。(順序は別)
・時間が一番人気だが、温度でもいい。3次元の温度とか。→サーモグラフィで表示する。

 

・箱(3次元)の中にいる点と、箱の外にいる点を、箱にぶつからずに結べるか。

・3次元的には結べないけど、4次元的には結べる。

 → 箱が4次元的に存在しない場合。つまり、箱はこの瞬間しかない。

・さっきの話だと、Bさんが未来永劫しまっちゃう扉をつくったら、出られない。

・普通のやってる人。

・ほかのことはどこに

★ 帯。
・ ↑ ↑をあわせるには。
・ ↑ ↓をあわせるには。メビウスの帯。発見者の名前? 

 

・シリンダーは裏表がつかない。メビウスはつく。
メビウスの帯で電車が消えた。メビウスの帯異世界に行けた。

第四次元の小説―幻想数学短編集 (地球人ライブラリー)

第四次元の小説―幻想数学短編集 (地球人ライブラリー)

 

 

・空気入りの浮き輪のこと→トーラス。


↓ ↓

上下を合わせる。



↓ ↓

上下を合わせることはできるか?
★ クラインのつぼ(はめこみ) 自己交差ありなら、合わせることができる。(中に穴をブチあけることができれば)
 自己交差なしの場合、3次元空間だと無理だが、4次元空間だとできる。(穴だけが4次元空間に向かう?)

★ 

・大学院生の1年生くらい。(ちょいちょい出てくる謎の学歴レベル)
・「明日の穴に入れると」

・「明日の穴」とかいうパワーワード

★ 

↑ ↓

これを合わせることはできるか。3次元空間では無理。
メビウスの帯にした時点で面がふたつになる?
・自分と自分で交わってない。すでに離脱している。

→ 二次元実射影空間 リアル・プロジェクティヴ RP2

・自己交差なしだと無理、2重点でも無理。3重点交差ならできる。これがボーイ・サーフェス。証明するのにしばらく時間もかかった。→ ハコを3つくらいくっつけたようなもの。なかなか想像が難しいのであまり流行らないかもしれない。メビウスの輪がいくつかある。

・見えないほうがいいかもしれない。見えない数学者のほうがいいかもしれない。普通なら、3次元で止まってしまう。見えないほうがいいかもしれない。想像でいいかもしれない。

・4次元囲碁、3次元オセロ。3次元囲碁数学セミナー。3次元将棋。

数学セミナー 2019年 10 月号 [雑誌]

数学セミナー 2019年 10 月号 [雑誌]

 

パイロット系、海中生物とかの頭の中。

 

新装版 度胸星(1)

新装版 度胸星(1)

 

 

・基本的なこと

・クラインのツボ

・アニュラス(シリンダ)

メビウスの帯

・トーラス

・クライン・ボトル

・ボーイ・サーフェス

めちゃめちゃ大学の講義っぽかった。(わかりにくさも含めて)

第6回講義

 

 

・起きて。駐車して

 

ギャップもの

・でも、あなたのことを愛している。

・二人の登場人物が、時空的に離れた場所で、それぞれモノローグする

 →泣ける

特定のジャンルものとしてはじめ、ある地点でジャンル自体をひっくり返す。

 →びっくり方なので、ハネるところまでひきつける必要あり

 

・理詰めで押し続けるように見せて、限界に達したところで破綻させる

 →感情を喚起しやすい

 

終わりまで行くと、主人公が成長している

 →古典的だが非常に有効

 →

 

 

 ・セキュリティ

 

飛ぶ孔雀

飛ぶ孔雀

 

 

 ・

第4期感想交換会 第5回

第4期、感想交換会の第5回。

   

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休憩中。

 

日時:11/19(日)13:00 - 20:30
場所: 渋谷区 道玄坂、900円
参加表明:14名

参加者:11名、(OB1名、聴講生1名)
対象作品:梗概8、実作6(予定17)

 

もうすぐ師走。講座も折り返し地点を過ぎましたが、初参加の方も増えて増量。(そろそろ、完全にフル参加だとタイムオーバーになりそう)。
幹事は実作書きでへとへとになり、読むほうでも徹夜。当日朝6時くらいまでブーストかけて読む。しんどかった。よく考えると初参加の人のは過去作も読めばよかったが、自分があと2人くらいいないと難しい。

会場までまた道玄坂を登る。行ってみると電源タップがなくて、エアコンが冷房固定でまいった。最終的に11人。
初参加の方もいて忘れていたが、いまは発言はフリースタイル形式でやっている。

 

★思ったこと

★感想会も5回を超え始めたので、それぞれの作者のスタイルがわかってくる。幹事も自分のスタイルや武器に悩んでいたので、自分の今日のテーマもスタイルになりがちだった。

 稲田先生はミステリ&SF設定の解明、中野先生は幻想的な海外設定、つばめ先生は妖怪&夢(ちかごろ武器が多すぎてわからなくなってきた)。この講座は毎月忙しく、新しい得意ジャンルを広げていく時間もあまりないので、長所をどんどん伸ばす傾向にある(と思う)。SFは専門知識もいるし、過去の類似作品の知識もいる。そもそも毎回出すのに、毎回0から勉強していると身が持たない。自分の独自設定をひとつ作っていると、あとは使いまわしたりすると楽。(次回は「取材」がテーマだが、まったく新しいジャンルに手を出して、レベル1の作品を出しても仕方がない気がする)。

 幹事も、最初の月に新しいジャンルの宇宙ものを出したが、自分自身があまり楽しくなかったので、今年はずっとAIものになりそうではある。生命工学も遺伝学も0から勉強したが、育てるのに時間がかかる。そもそも好きじゃないとあまり書きたくない。類似作品を知らないとイメージもできない。バリエーションを増やすにはAIと何かをかけ合わせたりすると良くて、AI × 役者、AI × 多重人格、AI × 身体性、とか。(講師に飽きられるかもしれないが)。

 

 
★梗概で何を書くか問題。2,3年やってる自分もよくわかっていませんが、重要度としては「独自設定:大」「世界背景・年代:中 - 小」「ストーリー:大」「キャラクター説明:小」「描写:小」「講師が知ってそうな専門知識:説明しなくていい」「講師が知らなそうな専門知識:中」

くらいかもしれない。後で追記。

 

★言い切れなかったこと

 

 ・人々が移動しなくなった未来。1時間に1本しか来なくなった山手線が見たい……。朝ラッシュのときもガラガラの山手線を……。しかし世界を書くとそれだけで大変な気もする。主人公が移動してるとき、夏休みなのにガラガラの新幹線……帰省ラッシュもない……。

 

・感想会のときに言及した映画。

・人々が脳波?でロボットを操作できる時代、出勤するのは全員ロボット。よって役者さんも全員ロボットの演技をしている。見どころは主演のブルースウィリスの髪がふさふさのところ。途中で生身のブルースが出てきて、やっぱりそれはハゲている。だけどかっこいい。

 

school.genron.co.jp

・『地球への巡礼によって地球と同じ周期で太陽系を周期することで、時間感覚を取り戻せたという噂が流れていたのだった。』というところが面白そうです。宇宙巡礼。

(幹事は四国出身なのにお遍路さんをほとんど知らない……でも「巡る」ことに意味を持たせるのはわかる。それを宇宙でやるのが良い。)

 

幹事は宇宙SFものはほとんど知らないのですが、『故地球』『時間障害』『逆言語』などはSF用語なのかしらん。そのあたりがもし独自設定なら、梗概で200~300字ほど使って説明したほうが良いですね。独自設定はやはり作者だけが知っているものですし、同時におもしろい設定は得点の稼ぎどころだと思うので、文字数オーバーにならない程度にどんどん書いたほうが良いです。(できれば科学的、論理的な説明もあると良い)。そのあたりが説明できれば、十分選出される梗概になると思います。

 

またなぜソラが異形の形になるのか、ソラの犯した罪である『故地球の殉教者への冒とく』とはなんなのか、『接待人』とはなんなのか、このあたりも梗概で説明が欲しいところです。最後にオチとして『なぜ巡礼すると時間障害が治るのか?』がぼんやりとでも説明できれば、かなりおもしろい作品になりそうです。

それか、講義にもあったように「なぜ」を説明せず、宇宙巡礼の様子を書いてゴリ押しするのも手です。実作で『私はここまで書けるぞ』と見せると、多少荒っぽい梗概でも『まあこの人なら書けるか』と思ってもらえそうです。

 

ところで、よよ先生は宇宙ものが好きなのでしょうか。幹事が宇宙ものを書くのに苦手意識があるのであれですが、自分の得意分野を生かすと良いと思います。SFのサブジャンル(不老不死とか宇宙とかタイムトラベルとかディストピアとかAI)、あるいは小説のジャンル(コメディ、ラブロマンス、ダーク、ホラー)、あるいはキャラで魅せる系か、描写が好きか、セリフが好きか、etc

第2回の梗概から、異星人(?)、人型AI、不老不死、宇宙、とかなりバラエティに富んでいます。無理に得意ジャンルを絞らなくても良いですが、毎回新ジャンルに挑戦するのも大変です。考えていて楽しいジャンルが良いと思います。自分は今回の梗概がいちばん独創的でおもしろそうかなと思いました。(前回の不老不死ものも好きですが)

反省大会

 

・しんどかった。

・おそらく実作ではじめて20,000字を超えたが、それはよくて。内容的には30,000字超えてもおかしくなかった。

 

反省:

・もう少し冒頭にアレックスの視点があってもよかった。梗概を読んだ人はなんとなく話が分かるが、そうでない人は厳しい。また、普通、『スパイ型ロボット』であれば、それがぱっとわかるような変身シーン?などを冒頭に置くのがセオリーである。不老不死なら首が飛ぶシーン→再生など。

・ビリーミリガンから離れ、よりロボットらしい多重人格を書きたかったが、できているか不明。というかビリーミリガンが強すぎて厳しい。

・そもそもメインキャラが5人というのが多すぎるのに、過去編を書き始めるとおさまらない。やはりメインは3人くらいに絞り、あとはサブにしておいたほうがいいかもしれない。そもそもアレックスを書ききれてないのが一番よくない。多視点ものの弱点がモロに出てしまったかなあと思う。とっちらかりぎみである。

 

 

・記録。

10/ 19 土 三体読書会
20 日
21 月 プロット
22 火 プロット
23 水
24 木 SFゲンロン参加
25 金 
26 土 SFカフェ参加
27 日 ビリーミリガン上を読む
28 月 ビリーミリガン下を読む
29 火 30 水 この週、かなり体調が悪かったぽい。泊まり。
31 木 会議室を調べていたらしい。
11/ 1 金
2 土 3連休
3 日 
4 月 ここまでで5500字
5 火 10500字
6 水
7 木 10900字
8 金 会社報告
9 土 12300字
10 日
11 月 16500字
12 火
13 水 20700
14 木 22000字

 

うーん。10月まで何をやっていたのやら。やはりスタートが遅い。ビリーミリガンは参考になったけど、わりと苦しかった。

・理想としては11月頭くらいに出来上がってくれる予定だった。

・ただ梗概ができたときに全然プロットがなかったので、(誰がどの場面でしゃべるか、とか)、講義終わっていきなりスタートというのは難しそう。

 

★ 気づき
・1日徹夜しても書けるのは5,000くらい。当然だがプロットができていたらの話。次の日は当然ダウンするので、実質1日2500で、あまり進んでる感じはしない。(が疲労はすごい)

・もう少し集中できればなんとかなりそうだが、そのためにはきっと職場の隣に家を建てるくらいしないと厳しいかもしれない。(今月、何度ホテルに泊まったんだ)

 

 

・参考にした書籍記事

24人のビリーミリガン 下

 

 

 

 

・レイプ事件を起こし、裁判で無罪となったビリー・ミリガン。新たに現れた統合人格【教師】によって語られるビリーの過去。ビリーはなぜレイプ事件を起こしたのか、ビリーはいつ23人もの別人格を生み出したのか。

・裁判後、ビリーは精神病院を転々としていたらしい。報道と州民感情もかなり影響があり、議員まで発言する始末。よほど当時にとっては衝撃だったんだろうな。

・人格の統合がすすみ、統合人格は、それまで副人格がもっていた特殊能力、技能が統一され、ひとりの人間になろうとしていた。

・統合が進んでいたところ、ひどい病院に移ることになり、また人格が分裂してしまう。多くの年長者の人格が希望を失い、自殺を図ろうとする。

 

 

・参考になりそうなところ

”言い争う声はアパートの内部から聞こえてくる。 ぱっと身体をまわし、言った。「動くな!  ふたりとも殺すぞ」 声はやんだ。

やがてレイゲンの頭のなかで声がした。「おれに黙れなんて言うやつは誰だ」「姿をあらわせ、さもないと撃つぞ」「何を撃つ ん だ」 「おまえ は どこ に いる」 「教え て やっ ても 信じ ねえ だろ う よ」 「どういう こと だ」 「どこ に いる か わから ねえ ん だ。 おれ は 自分 が どこ に いる のか わか ん ねえ」 「いったい 何 の 話 を し て いる」 「ケヴィン と 喧嘩 し てる」 「ケヴィン て 誰 だ」

自分 が どんなに 破壊的 な 力 を 持っ て いる か 知っ て いる だろ う。 憎悪 は 暴力 によって 多く の もの を 征服 できる が、 手 に 負え ない ところ が ある。 かりに 憎悪 の 物理的 な 力 を 管理 し、 邪悪 な 面 を 捨てよ う と し た と する。 それでも 悪い 特徴 を 持つ 憎悪 は 残る。 われわれ の 心 は きみ の 暴力 を 抑制 し、 怒り を 適切 に 選択 し て 手 に 負える もの に し て おこ う と し た。 きみ が 怒り なし に 強く なる ため には、 邪悪 な 部分 を そぎ 落とさ なけれ ば なら なかっ た。 それで フィリップ と ケヴィン が 生まれ た ん だ」 「やつ ら は おれ と 同じ なのか」 (Kindle の位置No.2108-2113). 

「デイヴィッド と ダニー は、 他人 に 感情移入 できる わたし の 一部 な ん です」〈 教師〉 は 作家 に 説明 し た。「 彼ら は 誰 が つらい 思い を し て いる か 感じとれる ん です。 誰 かが 離れ て いき、 心 を 乱し て いる と、 その 人 たち が いる ところ に 灯台 が ある よう な もの な ん です。 それで ダニー と デイヴィッド は そちら の 方向 を 指し示せ ば いい ん です」

ダニエル キイス. 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫NF) (Kindle の位置No.2765-2768). 早川書房. Kindle 版.

  ダニー は ループ に、 新聞 などで とりあげ られ て いる こと に レイ ゲン が ひどく 腹 を たて、 自殺 し て 決着 を つけ た がっ て いる よう だ と 言っ た。 その ため に 小さな 子供 たち が 怯え て いる、 と。 ループ は ビリー の まぶた が 震え、 光 を 失っ た 目 が きょろきょろ 動く のを 見 て、 ミリ ガン の 人格 が 交代 し た の だ と わかっ た。 そこ に 出 て き た 小さな 男の子 は、 身体 を すくま せ、 すすり泣き、 苦痛 を 感じ て いる よう に 見え た。

ダニエル キイス. 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫NF) (Kindle の位置No.3050-3053). 早川書房. Kindle 版.

だ ね。 なんで、『 やあ、 わたし は〈 教師〉 です よ』 と 言っ て くれ なかっ た ん だ」 〈教師〉 は 肩 を すくめ た。「 あなた に また 会う という 感じ じゃ なかっ た から です。 分裂 し た ビリー が あなた と 話し て まし た。 ふい に レイ ゲン が 会話 に 加わり、 アーサー も 出 て き まし た。 彼ら も 話す こと が あっ た から です。 それ に ある 意味 では、 照れくさい です からね、 突然、『 やあ、 元気 です か』 なんて 言いだす のは。 あなた と ずっと 話し て た のに、 そう じゃ ない みたい だ

ダニエル キイス. 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫NF) (Kindle の位置No.3338-3342). 早川書房. Kindle 版.

 

〈教師〉 は 自分 の 態度 に 愕然 と し、 不安 に なっ た。 人格 たち――〈 教師〉 として、 いま は「 人々」 では なく「 人格」 という 言葉 を 受け入れ て い た―― を 自分 の 一部 だ と 信じる よう に なっ て い た。 ふい に、 これ までに なかっ た こと だ が、 人格 の 交代 なし に、 彼ら と 同じ よう な 感じ を 経験 し た。 これ は ほんとう の 意味 での 統合 だっ た。 彼 は 二十 四 の 人格 を そなえ た 人間 と なっ た の だ。 その 結果 生まれ た のは、 ロビン・フッド でも スーパーマン でも なく、 ごく ふつう の、 反 社会的 な、 気 が 短く て、 ごまかし の うまい、 聡明 で 才能 に 恵まれ た 青年 だっ た。   ドクター・ジョージ・ハーディング

(Kindle の位置No.3371-3376). 早川書房. Kindle 版.

た。 トミー と 交代 する こと なく、 鍵 も ない のに 錠 の おり た ドア を あけ て い た。 レイ ゲン と 交代 する こと なく、 新しい オートバイ を 乗りまわし、 しかも レイ ゲン が やる よう に、 丘 の 急斜面 を 登っ た。 レイ ゲン が 感じ た よう に、 アドレナリン が 脈動 する のを 感じ、 自分 の 肉体 を 意識 し た。 彼 自身 は バイク に 乗っ た 経験 が ない のに、 筋肉 が 自在 に 動い た。   非 社交的 になり、 ほか の 患者 に いらだち、 スタッフ

ダニエル キイス. 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫NF) (Kindle の位置No.3441-3445). 早川書房. Kindle 版.

 

アレン は 尋ね た。 「ドクター・コール 以外 には、 誰 にも 知らせる な」 レイ ゲン が きっぱり と 言っ た。 「そう だ な。〈 教師〉 は 午後一 時 に 作家 と いつも の アポイントメント が ある。〈 教師〉 は あらわれる だろ う か」 「さあ、 どう かな」 アーサー は 言っ た。「〈 教師〉 は 消え た。 橋 の 上 で すくん で しまっ た のが 恥ずかしい ん だろ う」 「じゃあ、 作家 に どう 言え ば いい ん だ」 「あんた は しゃべる のが うまい」 レイ ゲン は 言っ た。「〈 教師〉 の ふり を しろ よ」 「さとら れ て しまう よ」 「きみ が〈 教師〉 だ と 名乗れ

ダニエル キイス. 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫NF) (Kindle の位置No.3555-3560). 早川書房. Kindle 版.

  病院 へ 面会 に いく と、 トミー が わたし に、 アーサー が 治療 と 回復 の 望み を 失い、 自殺 する 決心 を し た の だ と 言っ た。

ダニエル キイス. 24人のビリー・ミリガン〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫NF) (Kindle の位置No.4468-4469). 早川書房. Kindle 版.

 

1   すべて の 人格 を 区別 し、 認める こと。 2   治療 者 は その よう な 人格 が 存在 する 理由 を たしかめ なけれ ば なら ない。 3   治療 者 は 変化 を 生じ させる ため に、 人格 すべて にたいする 治療 を すすん で 行なわ なけれ ば なら ない。

 (Kindle の位置No.4089-4092). 早川書房. Kindle 版.

  治療 者 は 良い 面 を 見つける こと が できれ ば それに 注目 し、 別 人格 相互、 とくに 自己 もしくは 他者 に 危害 を 加える 恐れ の ある 人格 の あいだ に、 何らかの 妥協 を もたらす よう 努める べき で ある。 5   積極的 な 解決 に 至る ため には、 患者 自身 が 問題 の 本質 と 大き さを 完全 に 自覚 する 必要 が あり、 また 治療 を通じて 援助 を 受ける べき で ある。 言い換えれ ば、 患者 は 治療 を 受動的 に 受ける だけで なく、 治療 の 過程 を 知っ て い なけれ ば なら ない。

 (Kindle の位置No.4092-4096). 早川書房. Kindle 版.

続編

 

ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉

ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉

 

 

 

24人のビリー・ミリガン

 

1955年2月14日 - 2014年12月12日) は、アメリカ合衆国生まれの男性。オハイオ州の強盗強姦事件で逮捕・起訴されたが、彼は解離性同一性障害多重人格障害)を患っていると主張、裁判で多重人格と事件の関わりにおいて注目され、有名になった。日本でもダニエル・キイスの著作によりその名を広く知られた。

 

・講義のときに言及されて、資料用

・正直、自分が書きたかったシーンがほとんど書かれていて、つらかった。

・ 途中までは、ビリーが3件のレイプ事件を起こし、いろいろな精神科医と話をし、無罪を勝ち取るまでの話。幼少期の養父からの性的虐待により、人格が10人くらいいて、なかには粗暴な人格もいた。人格の誰一人としてレイプしたときの記憶がなく、「自分じゃない」と言い張り続けていたが、なんと女性の人格がレズビアンと分かり、その子がレイプをしたとのこと。すごい結末。

・ビリー・ミリガン
 記憶が幼少期でとどまりがちで、ほかの人格のときの記憶がないため、すぐ自殺しようとする。ほかの人格から自殺を危険視され、長いあいだ眠って表に出てこなかった。

 ・アーサー
 22歳のイギリス人。人格たちのリーダー的な感じ。賢い。ほかの人格が出る・でないをコントロールする。ビリーの頭にほかの人格がいることを最初に気づいたのも彼であり、ほかの人格と交渉して一致団結した。

・レイゲン
 むっちゃ強い男。粗暴っぽいが、人格たちの子どもと女性を守るナイスガイ。強盗とかはしてた。たまにアーサーとチェスをする。最初、アーサーとレイゲンが手を結ぶシーンは激アツシーン。

・アレン、トミー、ダニー
 男の子たち。アレンは口がうまく、トミーは反社会的で、ダニーは臆病
・デイヴィッド
 8歳。感情移入し、苦痛を引き受ける子。

・クリスティー
 3歳。おそらく最初に生まれた副人格。失語症。レイゲンに気に入られている。
・アダラナ
 19歳。レズビアン。料理その他の家事をする。
<好ましくないものたち>
 13人くらいいる。危ない子達なので、アーサーによってお押さえ込まれ、表に出てこない。中盤、裁判が終わって落着と思いきや、彼らが表に出始める。

 ・教師
 黒幕っぽい人格。23のすべての人格が統合された人物。すべての記憶を持ち、ほかの人格にいろいろ教えまくった。

 

・途中まで、裁判が終わるまではノンフィクションっぽかったが、ビリーの過去編になると急に習慣連載マンガっぽくなる。ビリーが目を閉じるとコロコロ人格が変わりだす。まあそういうものだから仕方がないのだが。


 裁判が終わって落着と思いきや、ビリーの中にはまだ<好ましくないものたち>と呼ばれる13人の人格がいた。そして突然現れた<教師>という人格。「私はずっとビリーを見ていた。すべて教えよう。ビリーの過去を……!」的な碇ゲンドウみたいな人がでてきた。(実際はこんなこと言ってない)。


・ほかの人格が腕っ節が強かったり、縄抜けができたり、電気工学に精通していたりして、それらをすべて記憶し、まとめている人格(?)がいるというのが信じられない。あまりに人格の個性が強すぎて、頭めちゃくちゃになりそう。最初から「教師」さんが全部やればよかったのでは……いやなんでも。

 ・

 

・使えそうなネタ
・これらはビリーの目線で書かれているものが少なく、個々の人格の掘り下げが微妙なので、そこをどんどん彫っていくといいかもしれない。

・「あんたは誰だ」「きみの弁護士だよ」「おれの弁護士じゃないね」p94

・わたしたちはうそをつきません。p98

・「多重人格者に典型的なんだけど、彼はほかの人格に起こったことは話すのに、自分に起こったことは話さないのよ」p122

・「あの人の中には大勢がいるに違いないよ」「あの人はスポットを離れたよ」p122

・「あいつはクリスティーンの絵に水をぶっ掛けた。子供の絵をめちゃめちゃにするなんて」p134

・「人格たち、ではないんです。彼らは人間なんだ」p154

・自分の犯罪を知ったビリー「レイゲンとアダラナなんか死ねばいい」

・「この薄汚いあばずれ女。」「彼女は君の身体を使ったんだ」

・「ビリーの作品に触るんじゃない」「あんたは見せびらかそうとしたんだ。だが、いまはビリーがセラピーを受けるほうがもっと大事なんだぞ」p184

・「ふたりが結合してぼくになった。まだ名前がない。それが気に入ってる」p204

/

・「でも、ぼくはどうすればいいんですか。ぼくのなかには憎しみが詰まっている。僕の手には負えないんです」p214

・口ひげがなくなっているので仰天した。p2298 

・継承!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

・「質問されると答えがわかるような気がするんですけど、それをいおうとすると、消えてしまうんです。アーサーかレイゲンならわかるでしょう」p254

・ふつう自分の中にほかの全員のことを知っていて、協力しようとする誰かがいるんだ、「内部の自己協力者」インナーセルフ・ヘルパー(ISH)p255

 

第5回講義

・講義の日。

・梗概はけっこう自信があった。設定もできている。ストーリーもできている。おそらくお題にも沿っている。ひとつ不安なのが、多重人格設定がよくあるテーマということ。

・最初に名前が呼ばれた。この講義は評価の高い順に名前が呼ばれる。勝ち確だと思った。ハッピーうれしい神様ありがとうと思った。自分のやったことは間違っておらず、これで自信にもなるし、優勝争いにからめると思った。

・しかし、選出からは外れた。

 

 

・まあ荒れに荒れた。連日の残業続きもあって、体力が極端に低下していた。予想として、箸にも棒にもかからないことは覚悟していた。選出されることも覚悟していた。しかしこの、選ばれそうになってそうでないというのはまったく予想しておらず、精神がしんだ。

 

・おそらく荒れたのは、実作ではあまり力が発揮できないことの裏返しだと思う。自分の文体はそんなにカチカチのほうではないから。梗概の自信は少しずつ付きつつある。つぎは実作で。つまりこれは神様の、実作で自信をつけなさいとのお達し……きっとそう。

・将棋の羽生さんが昔、「1位を狙う人間だけが3位と4位になれる」と言っていた、というのは完全に嘘で、いま自分が考えた。つまり1位争いができるほどの力になってきた。勝ちが見えたから悔しい。そう。リアクションに困っている。完全な負けなら反省できるが、微妙な結果だからリアクションに困っている。落ち込んでいる暇があったら次の作品を書けというのは正論だが、そう簡単でもない。