まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

新訳 赤毛のアン(下)

赤毛のアンのつづき。 

 

赤毛のアンシリーズのなかでも、かなりお気に入りの巻になりそう。

 ・最初のニュースは、アヴォンリーに新しい牧師夫妻が赴任してきたこと。ミセス・アランとは良い仲になれるらしい。アン特製の痛み止め薬入りケーキを食べたミセスの顔がおもしろすぎた。(そのままガツガツ食べる牧師夫人の鑑)。料理不得意な人は味見をしない。とりあえず新しく来た人は村人全員で招待してお茶をし、逆に来た人も村人全員を招待するらしい。

 

・二番目のニュースは学校に新しい先生ミス・ステイシーが来たこと。先生として最高らしい。

ときどき少し「すごいね」とほめてやったほうが、一生懸命「しつける」よりも効果があるものなのです。

「二ヶ月もの間、ごたごたが起きてないから、そろそろだってわかってましたよ。

・中盤、アンが行商人から髪染めを買って大失敗。ショートにすることに。屋根から落ちて骨折したりする。こいついつも問題起こしてんな。

・アンが結成した「物語クラブ」。ウッ、古傷が……。

アーサー王ごっこをして、船に乗って川を下るアン。途中で船が転覆し、橋桁にしがみついていたところをギルバートに見つかって救出される。アホや……。

ダイアナ「でも、ああ、大ニュースなの、アン。なんだと思う?三回で当ててね」

・はあ女の子。
・このころの女の子はパフスリーブ(袖のフリフリ)が流行りらしい。それを知ってマシューがアンにプレゼント。

 

マリラには、愛しているということを、ことばでも表情でもはっきりと出すことがどうしてもできないのです、しかし、このほっそりとした、灰色の目をした少女を、気持ちを表に出さない分なおさら深く愛するようになっていたのでした。(中略)。アンを大切に思うことがなければ、これほどきびしくしなかったでしょうし、小言も言わなかったことでしょう。そんなにきびしく接したのは、ひょっとすると、そうすることで無意識のうちに自分に罪ほろぼしの苦行を科していたのかもしれません。

マリラの愛。アンが定期的に失敗する?のもあれだが、まあ子どもだし。それよりマリラに色々言われてもアンがしっかり反論するところがすごい。

・授業中に『ベン・ハー』を読んでいるアン。

・中盤からの怒涛の展開。アンはクイーン学院に成績トップで入学し、さらに学院でもトップで大学までの奨学生きっぷを得てしまう。15歳になって背も伸びて精神も急成長。理想的な成長譚。しかしそこで、アンがアヴォンリーに残る事件が。

 

・客席にいるギルバートを見て、緊張をといて奮起するアン。少女漫画のお手本のような……。「にんじん」とか言ってたギルくんがイケメンになりすぎた。
(挿絵のおかげでアヴォンリーは全員美人であり、ヒーローはイケメンである)。

・ダイアナはアヴォンリーのスタイリスト?

「あんたがむかし小さかったときのことをつい思い出してね、アン。そのままの少女のままでいてほしいと思っていたのよ。おかしなことばかりしていてもね。今はおとなになってしまって、私から離れていく。そんなに背が高く、すらりとして、そんなに……そんなに……そんなドレスを着て、すっかり変わってしまって……まるでアヴォンリーなんかにいなかったように……考えただけで、悲しくなる。」