まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

PSYCHO-PASS

アニメPSYCHO-PASS(第1期、2期)を見ていた。全部で33話。

普段ほとんどアニメを見ないので、シーズンまるごと見たのは2年前の『攻殻機動隊』くらい。毎週見るということができないので連休中にしかできないリストに入っている。

 

あらすじ

人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持つ「シビュラシステム」が導入された西暦2112年の日本。人々はこの値を通称「PSYCHO-PASSサイコパス)」と呼び習わし、有害なストレスから解放された「理想的な人生」を送るため、その数値を指標として生きていた。
その中でも、犯罪に関しての数値は「犯罪係数」として計測され、たとえ罪を犯していない者でも、規定値を超えれば「潜在犯」として裁かれていた。
舞台は厚生省公安局。役職は「監視官」と「執行官」に分かれており、「執行官」は潜在犯であるがゆえに事件への嗅覚が鋭く、それらを指揮する人間が「監視官」である。 

 総監督は『踊る大捜査線』の本広克行、脚本は『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄、小説家・深見真と高羽彩。第2期のシリーズ構成に作家の冲方丁。1期は2012年。2期は2014年。

 

・見どころ?
 街のあらゆるところに人間の「犯罪係数(犯罪しそうな予測値)」を測るセンサがあるので、容疑者は、犯罪を計画した時点で見つかってしまう。ところがそれをかいくぐった凶悪犯罪がぽこぽこと出てきて……。
 また事件にまきこまれた被害者と、事件を追う警察関係者たちも自然に「犯罪係数」がどんどん上がってしまう。よって警察関係者はつねに「潜在犯」の候補であり、実際に捜査を行うのはすでに犯罪係数が高めの「執行官」、それを指揮するのが「監視官」。
 シビュラシステムは犯罪係数を測定するだけでなく、その人の進路まで判定し、生活になくてはならない存在。日本は鎖国状態であり、部屋の調度品や人の服装はホログラムで自由に装飾できる。裁判所はない。

 

・1期の登場人物

#1 犯罪係数

 常守朱(つねもり あかね) 1期のヒロイン、2期の主人公。新米監視官。まじめ。どんなにヤバい犯罪捜査に当たっても犯罪係数が上がらないまっすぐな性格。

【メーカー特典あり】PSYCHO-PASS Sinners of the System Theme songs + Dedicated by Masayuki Nakano(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)(クリアしおり(デザインA)付)

狡噛慎也(こうがみ しんや)cv - 関智一
 1期の主人公。暗い過去を持っている執行官で、アカネの部下。第1話で、アカネがよくある新人の失敗をやらかしたので、それからアカネと死ぬほどケンカすると思っていたのだが、意外とあっさり許してくれる優しい兄貴キャラ。優しいと見せかけて実はめちゃくちゃ獰猛なのかと思いきや、終盤まで優しい。また、自分のつらい過去には触れるんじゃねーー!! という展開なのかと予想したけど、素直に自分からどんどん話してくれるありがたい人。個人的には、新人アカネと衝突する展開は見ててけっこうしんどくなるので良かった。(自分はそういう新人ポジがしんどくてしょうがない)。
 足も長いし喫煙可で格闘野郎で頭がちょっとモジャモジャなので、どんどんスパイク・スピーゲルに見えてくる。ソファで足折って寝ているところがそっくり。

 

宜野座伸元(ぎのざ のぶちか)声 - 野島健児
 監視官のお兄さん。チームリーダーでアカネの若い上司ポジ。眼鏡。アカネと衝突するのはこの人の役どころ。マジメで、執行官とは一定の距離をもつ冷徹キャラと思いきや、どんどん丸くなってくる。終盤、アカネとコウガミが強くなりすぎて、置いてきぼりになってる感がある。格闘戦、銃撃戦に特別長けてるわけでもなさそうだし、交渉ごとがうまいというわけでもないのだけど、苦労人。自分の犯罪係数が上がらないようにカウンセリングを受けている。

PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian [DVD]

・征陸智己(まさおか ともみ)
 執行官のおじさん。立場的には部下なのだけど、頼れるみんなのお父さん。このアニメの癒やし。元刑事の経験を生かした洞察力が武器。元刑事、片腕が義手、酒と煙草が好きとかいうジェット・ブラックのような人。趣味は意外にも絵画。

・六合塚弥生(くにづか やよい)
 執行官のお姉さん。黒髪ポニーテールで中国武術とかが使えそうな武闘派っぽい女の子のだけど、意外にも得意なのは電子戦で、元バンドマンという異色の経歴。

槙島聖護(まきしま しょうご)
 1期のボス。銀髪なのでクゼみたいな人。文学作品の引用が多く、知っているとちょっと得した気分になる。(というかこの人、ただの読書家なのでは……)。終盤になってくるとだんだん愛されキャラになってくるので、途中まで残虐非道だらけだったのを忘れそうになる。

禾生壌宗(かせい じょうしゅう) cv:クシャナ殿下
 公安局局長。チームの上司。1期と2期もたくさん喋ってくれるのでうれしい。

 

★第2期の登場人物
・霜月美佳(しもつき みか) アカネの後輩監視官。話を複雑化させる天才。
・東金朔夜(とうがね さくや) cv:野原ひろし 
・鹿矛囲桐斗(かむい きりと)
 2期のボス。ホログラムを自在に操るので本当に笑い男のよう。

・1期のネタバレ
 序盤は凶悪犯罪を追う展開だったが、終盤、ドミネーターを完全に無効化するマキシマとザコ敵が登場。マキシマを殺すには普通の拳銃で「殺す」必要があり、それでは警察側が犯罪者になってしまう。マキシマを殺したいコウガミと、コウガミを止めたいアカネ、またマキシマを取り込みたいシビュラシステムの三つ巴(?)になる。ジレンマを解決するために、シビュラに交渉を持ちかけるアカネ。それはマキシマを捕獲する代わりに、コウガミの抹殺命令を取り消してもらうことだった。ここらへんの解決の仕方。
 マキシマが捕まってシビュラの全容が暴かれたときに終わるのが普通だと思うのだが、本編はまだまだ続き、マキシマがシビュラの勧誘を蹴り、アカネが急成長する。このあたりすごい。
 中盤、アカネの親友が目の前で惨殺されるが、アカネがあまり落ち込まなかったのが意外だった。(それどころかもう一度記憶を呼び覚まして犯人のモンタージュまで作っている)。普通だったら「刑事やめます」くらいの展開になってもおかしくないのだけど……。最近はこういう予想できる展開はすっとばしてもいいのかしら? (そういう自分の使命に悩むシーンは、エヴァとかでやりつくされたのかもしれない)。どうも感情的なシーンは極力排除して、物語の展開に力を注いでいる感じがある。いいのか悪いのかはわからないけど、ダレなくていいのかもしれない。(アカネがあまり落ち込まず、犯罪係数がさっぱり変わらない印象付けのためもある)。
 またドミネーターを無効化するザコ敵は、近くの人間の正常な犯罪係数をコピーする能力を持っている。よって排除するにはもともと犯罪係数が異常な「執行官」が適正である。逆に正常な「監視官」だと倒せない。
 シビュラシステムの成り立ち。予想はできていたが、優秀?な人や犯罪係数が上がらない人の脳をとりこみ、計算と学習に使用していた。政府高官も何人かはシビュラシステムそのものである。そこで普通は「ヒドイ」「ぶっこわす」展開になると思うのだが、ならない。日本はこのシビュラとどう付き合っていくのかが後半のテーマになる。

・2期のネタバレ
 正直、1期でシビュラシステムの全容が暴かれたので、続きを作るのはものすごく大変だったように感じる。アカネの上司はおらず、アカネがチームを仕切ることに。今度はコウガミのようなキーパーソンはおらず、ギノくんやとっつぁんみたいな人もおらず、わりとチームメンバーはバラバラ。「アカネの成長」とかにはテーマを置いていないようで、人間関係はわりと希薄。その代わり、シビュラシステムやドミネーターの弱点などに力を注いでいる。

 今度は犯罪係数が正常なボスではなく、ドミネーターが反応すらしない「カムイ」が登場。カムイはいろんな人間の臓器をくっつけて多体移植手術を施された人間だった。カムイは投薬によって周りの人間の犯罪係数もごまかせてしまい、カリスマ性がある(このあたりはマキシマと似ている)。「集合体として存在する人間」。シビュラシステムがもしカムイを認識して裁いてしまうと、集合体として存在するシビュラ自身も裁かれるようになってしまう。シビュラはカムイをなかったことにしたい(=消す)が、アカネはそれを止めるため、シビュラシステムが「集団的サイコパス計測」をできるよう、アップデートをもちかける。

 この話を複雑化させるトウガネサクヤ(cv:野原ひろし)。局長に偽装していた母親のため? アカネを真っ黒にしたいし、カムイを排除したい。アカネが黒く染まることは、イコール、シビュラシステム(母親)が正常に機能しているという証明のためかしら? また一般人代表のシモツキ監視官。潔癖症。アカネに反発しているので中盤、仲直りするのかと思いきや、めちゃくちゃ黒いままラストまでいってしまった人。結局、制裁もされず、成長もせず、わりと中途半端な感じ。まあこういうキャラは好きなんだけど……。