まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

アンダーグラウンド・マーケット

・ウェミダー!

 

アンダーグラウンド・マーケット (朝日文庫)
 

・『オービタル・クラウド』(日本SF大賞)の藤井太洋先生。

・初版は2015年だが、最初は電子書籍自費出版?したらしく、初出は2013年。

舞台は2018年の東京。東京オリンピックとTPPのおかげか、移民でごったがえし、仮想通貨が裏社会で流通されている。ハニカム・ネストとフリービー。

・難しくて読むのが難しかったが、(一応自分は)情報工学が専門なのだけど、いまだに「クラウドにサーバーがある」という意味がいまいちよくわかっていない。サーバーとはあの黒とか灰色の筐体のことじゃないの……。あと「仮想環境でOSを動かす」というのも。

・こういう技術的なことが好きかと言われたら、そうでもない。笑い話くらいならいいかもしれない。「この間、妙なバグのせいで1周間もムダにしちゃってさー」こういう話が本当によくある。好きかどうかというより、単純なミス、というより、ハッキング。技術的なトリックと言ったほうがいいかもしれない。

・サラリーマンなら、こういう取引のシーンでワクワクするのかもしれない。

 

・以下、気になったところ

確かに素人が口を挟めばデザインは濁る。(略)デザインまで手がけてしまった恵のせいだ。『わかっている』なら誰かに頼むべきだった。数万”N円”で引き受けてくれるデザイナーならゴマンといる。

 

普段から移民と接しているフリービーにとっては常識なのだが、心を込めて話しても意味のないことは多い。自分の心で他人の心を変える。それがどれだけ傲慢なことか。それを理解する表の人は少なくない。