まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

ハヤカワジュニアミステリ2

★ハヤカワジュニアミステリ祭り2 

 

・主人公のアンちゃん、表紙だと普通の女子高生みたいだな……。 

1924年にイギリスの小説家アガサ・クリスティが発表した4作目の長編推理小説

・考古学者を父に持つ少女アンが、父が亡くなった後、ひょんなことから殺人事件を目撃する。冒険好きのアンちゃん。謎の暗号を解読してクルーズ船へ。行先は南アフリカ
容疑者である『茶色の服の男』とはいったい誰なのか。
登場人物:アン、サー・ユースタス・ペドラー、ガイ・パジェット、ハリーレイバーン、ブレア夫人、レース大佐

 

「冒険好きの女の子」というのが最初ピンとこなかった。冒険ってなんだろう、と。まあ退屈な生活が苦手という感じかな……。ラストも彼女は選択をする。

『トミーとタペンス』 もそうだったが、探偵ではなく普通の一般人が事件に首を突っ込んでいくのは、そうそうアグレッシブなキャラじゃないと大変そう。「事件に巻き込まれる」というか「突撃していく」からな……。

 

 

p26:お父さんに振り回されるあんちゃん。「銀行に27ポンドあるだろう」「それは超過引き出しの額よ」

p29:親父がなくなって、みんなに親切にされる。

p34:アンのファッションテクニック? 帽子に2度パンチ。

p80:ドヤ顔

p92:ゲロゲロに船に酔う。

p112:『茶色の服の男』と初対面。異常にいじわるをしたくなるが、じつはめっちゃ惚れてた。

p130:レース大佐によるカマかけ。本当に知っているかどうかの罠。

p174:惚れちゃっている情熱的。
『いわば犬みたいなものね、ずっと鎖につながれてたとか、ひどい虐待を受けてきたとか、そういう犬が、見さかいなしにだれにでもかみつくのとおなじで。終始、気が立って、歯をむきだしてうなってばかり。一目あの人を見たとたんに、いままで築き上げてきた人生が、がらっとひっくりかえっちゃった。あのひとを愛してるわ。あのひとが欲しい。あのひとを見つけ出すまで、アフリカ中をはだしで歩きまわるのもいとわないし、見つけたら、きっとわたしを好きになるようにして見せる。あのひとのためなら死んでもいい。あのひとのために働き、奴隷にもなり、盗みもし、物乞いだって、借金だってしてみせる! さあーーこれで洗いざらいぶちまけたわ!』

p215:

『『パメラの危難』の第三話。このわたしの身にもいつか同じようなことが起こらないものか。――ところが、現実の場合、今週の第三話の終わりで、彼女自身が突然一巻の終わりとはならないという保証など、どこにもないのである。』

 

p218:なぜこういう敵はすぐに人質を殺さないのか。いろいろあるんだよ。ボスに言わずに勝手に殺しちゃやばいだろ。悪い組織も管理職なんだよ。(あと警備がザル)

p245:オーデコロンとりにいかせる作戦ではしゃぐブレア夫人かわいい。

p280:アンによるジェンダー考察。生活共同体を営むようになって、はじめて女性は弱いものとされるようになった。

p285:3人くらいの男にまで惚れられるアン

p296:落っこちたアン。

p334:『またも銃弾が浴びせられてきた。その一発が、ハリーの頬をかすめた。彼が振り向いた時には、わたしは弾をこめ終わっていた。彼はだしぬけに左腕でわたしを抱き寄せると、一度だけ荒々しくキスしてから、また窓の方を向いた。とつぜん、その口から叫び声が上がった。』

 映画みたい……。