まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

第5期感想交換会 第2回

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開催日時:2020年11月22日(日)、23日(月祝) 
時間:15:00 ~22:00、14:00~20:00
課題:「小説つばる「新人SF作家特集号」の依頼」
講評作品数:梗概16 実作7
参加者数:16名(欠席2名。ほか、聴講のみ2名)

 

日曜日が文フリであることをすっかり忘れる。参加者の予定が合わなかったので2日制となる。2グループ同時開催とはなんだったのか。

 

作品数23作(実施したのは21)はぶっちぎりで過去最高。両日に参加する人はいるかなと思ったが、さすがにいない。(あんまり講評ばかりしてもしょうがないが)。幹事は無事死亡。寝不足で文フリに突撃して、近くのホテルで開始。作品読むだけで3連休がおわる。実作はヤバイ。

 

今回のテーマは、毎年あるような「一般の方向けSF」テーマのような気がするが、自分は罠だと思っており、「一般向けSF」≠「よくあるSF」に陥り、よくある(おもしろくない)梗概になってしまう気がする。一般向け→ 身近な地名を使うとか、身近な道具を使うくらいでとっかかりやすさはクリアできるので、あとは深くて新しいSFを書くぐらいじゃないとまずい気がする。

 

 

・1日目 議事録

<テーマの選び方>


・今回の狙いは恐らく「一般向けのSF」を書く課題。
 ……かといって「よくあるSF」が良いとは限らない!
(過去の「一般向けSF」の課題で結局選ばれたのは「おもしろいSF」「新しいSF」が多かった https://school.genron.co.jp/works/sf/2018/subjects/5/ )

 

・要素が一般的・よくあるSFでも、切り口が新しい・面白いという書き方もできる。


・マニアックなネタ、「他のみんなが知らない世界」を書くのは、逆に強みになる。
・二万文字の短編……30分ドラマ・アニメくらい。

 

・ロボットの設定…形状や性能の理由・目的・運用ルールを考えておく(なぜ二足歩行? なぜしゃべる? 意識がある? 家庭用? 軍事用? など)

 

・ファンタジー/別ジャンルとSFの垣根は下がってきている印象。一般的な小説にも最近はSF要素が入ってきている。他ジャンルの梗概の記事なども参考に。


・ジャンル毎の展開の「お約束」「テンプレート」を把握しておくことは大事。ストーリー作りで迷った時の参考になる。本講座で迷っている暇はあまりない。


<物語の「謎」の仕込み方>


・終盤に明かそうと思っている謎やどんでん返しは、意外と読んでいると分かってしまう。
 →先に明かしてしまって、更なるどんでん返しなど、もう一つの驚きを仕込むなどの方法がある。


 →思い切って終盤にとっておくつもりだった「実はこの登場人物は……」というネタを早めに出してしまい、そこから動く感情やそれ故の葛藤を描く、というのも手。
 →もしも正体を隠すのであれば徹底的に。


<話の流れ方>

 

・物語のなかで気持ちがどう動くか。


・短編では「その人の一生の思い出になるようなシーン」を切り取った方が盛り上がると言われている。
 (バディもの例:ドラマの1エピソードよりも、コンビ結成編や解散の危機、最終回など)


・「キャラクターの履歴書を書きなさい」……傍観者になりがちなキャラクターに使ってみると良いかも。ただ、短編では要素を詰め込みすぎてしまいがちなのでほどほどに。

 

・ラストで新しい設定を出すことの難しさ(よほど効果的でないと△)


・起承転結の「転結」を「起」に持っていく方が良い場合もある。(※梗概を作る時には一度見返してみると良い)

 
(文責:吉羽善)

 

 

2日目

・梗概を一人称にすると、デメリットがあり、① ショートショートっぽく見え、実作を読んでみたいと思いにくい ② ひとりの視点で語るので、高い視点から展開を書きにくく、ストーリーが短めに感じる。

 そのキャラの口調が特徴的などのメリットがない限り、避けたほうが無難。

 

・実作:作品の途中で視点が変わるときは、1行目に『Aさんは〇〇した。』と書くなど、名前をはっきり出して、視点が変わったことを明確にした方が親切。

 

・すべての講義で実作を出す必要はないし、〆切が短かったり長かったりするときもあるので、年間スケジュールを見直して、どの回に出すか計画を立てたほうが無難。(公募・イベントの原稿とも折り合いをつける)

 

 

 

★キャラクターの履歴書については

新・何がなんでも作家になりたい!

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★スト-リーテンプレ、パターンについては

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「物語」の魅せ方入門 9つのレシピ

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  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

school.genron.co.jp

・ストーリーが梗概後半の『ある日~』から始まり、かなり短くまとめられてしまったので、肝心のモノたちが活躍する部分が短いのがすこし残念。またドアとのバディものにするなら、ドアをもっと活躍させた方がよさそうで、ファミリアでの最終決戦も『人+ドア  vs 人』にしたり、ドアの力をつかって戦うなどしたほうが良いと思う。人間の主要キャラ3人の人間愛憎ドラマが続くと、そちらのほうがおもしろくなりそうで、あまりモノが活躍しにくくなりそうである。モノ否定派閥(ヒト派)の敵も、じつは戦うときはモノを使役する、などの設定にした方が、モノがどんどん活躍させられる。最後は『人 vs 人とモノ vs モノ』にもできる。全体的に、シリーズの第1話感のような気がするので、最終回になりそうなくらいモノを出したほうがよさそう。

 

 サムネ用

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