まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

本読み

ジュニアミステリ祭り。

 

 

 

・ある島に集められた10人の男女。ひとりずつ殺されていく

 

  

 

 

 

 

 

美人で料理ができて車も運転できる、凄腕のスーパー使用人ことルーシー・アイルズバロウさんが出てくる回。ある日パディントン発の列車の中で殺人事件が起き、その死体はクラッケンソープの邸宅にあるとふみ、ルーシーが潜入捜査。

 

『わたしがあちこち、そこらじゅうに出向いて、人に尋ねまわったり、調べたりできるわけじゃないもの』

『ルーシーは32歳、オックスフォード大学の数学科を首席でパスしている。

学問的な優秀さに加えて、健全な良識という芯がそなわっていた。学問で名をはせる人生では報われることは少ないと、ちゃんと心得ていた。自分よりは知力の劣る人々と接するのが楽しいのだった。つまり、人間と言うものが、さまざまな種類の人間が好きだった。ただし、ずっとおなじ人たちと接するのは望まなかった。それにまた率直に言えば、お金も好きだった。

 ルーシーがいったんその家庭に入ると、すべての悩みや心配事や重労働が、いっさい消えてしまうのだ。

 台床のゆかをごしごしこすり、庭に穴を掘り、犬の糞もきれいに始末し、石炭まで運んだ。』

ルーシーと子供たちのやり取りでなごむ。というか子どもたちも頭がいい。ルーシーは作中で3人ぐらいから言い寄られる、すごいおじさんにまで惚れられる、おじさんキラー……。

  

・ABCの時刻表をもとに、ABCの頭文字がつく地名と、頭文字がつく人間がつぎつぎと殺されていく。Aはタバコ屋の奥さん、Bはカフェのウエイトレス、Cは有名なコレクター。しかも犯人は、犯行の前にかならずポアロに挑戦状を送り付ける。犯人の真相は?

 

・今回の美人大賞。ソーラ・グレイ。秘書さん。

・途中から被害者遺族で犯人捜しの『特別部隊』が結成される。挿絵で見るとなんか笑ってしまうが……。

 ・「あなたはイギリス人のくせして、あからさまな質問をぶつけられた時のイギリス人の反応が何もわかっていない。

 しかし、それを普通の会話にして、話の流れにさからうようなことを言えば、みんなすぐにべらべらしゃべりだすものです」

・ポワロさん、新聞記者になりすます。

・この時代に、プロファイリングのような技術、犯罪心理学の技術があったことに少し驚いた。

・「じゃあ、まだわかっていないんだね、だれが、だれがベティを――」

感受性が強く、用心深い人に良くあることだ。暴力的なことをことばにしたくないのだろう。

 

 ・新聞広告に掲載された『殺人』の予告。パーティのお誘いだと思った10数人の村の住人たちが、ひとつの家に集まる。とつぜん停電した部屋。3発の銃声。犯人は自殺したと思われたが、犯人の本当の目的は何だったのか。

 つぎつぎと明かされていく村の人々の事情……。

 ・初めて読むマープル。おばちゃんパワー。

・メイドのミッチちゃん最強説。すぐかんしゃく起こすし暴れまわるけど、料理の腕は抜群?という子。お客さんが来ても対応しない、すぐ暇をもらおうとする、「あの人はナチスなのよ、あの金髪とブルーの瞳を見てください。だから、あたしをばかにして――」 

・「フォール・ガイ(身代わり)」

・だめだめだと思った男と、美人の女性の急な裏庭のロマンス。「これがぼくのアリバイだ。ルーカス夫人が園芸用品小屋の入り口でいらいらして待っていても、ぼくはここにカボチャのためにやってきたんだ。いちゃついてるなんて言わせない」。文学青年は口説き文句がおそろしい。日本が舞台では書けないシーンだ……。

ブラックロック夫人の挿絵はよかった。

 

・ヒンチクリフとマーガトロイドのカップルは幸せになるべき、というか、彼女らふたりが事件の再現をする、というシーンはうまいなと思った。ただ、完全に三人称の小説じゃないと書けないけれど。

・登場人物多くて美人祭り。。

 

 

 

・表紙の看護師レザラン女史が、とある遺跡の発掘チームに派遣される。そこではチームリーダーの奥さんミス・レイドナーが、毎日なにかに怯え、チームの雰囲気も壊しているということだった。 レイドナーは前夫から脅迫状が届いているという。そんななかで案の定、殺人事件が発生。わきあいあいとした10人の男女発掘チームのなかに、不穏な空気が漂い始める。

 

 トリックはわからないが、複数の男女模様を書くのがうまいなあと毎度思う。とくに今回の中心人物、ミス・レイドナー、ライバルのマリー・マーカド、アン・ジョンソン、ハチャメチャなシーラ・ライリー。レイドナーは一見美人で天真爛漫だが、気分屋だったり、誰かをもてあそんだりする悪女なのか、どうなのか。シーラはちょっと若くておばかだけど、味がある。性格が一層ではなく、何層もある。とくに「この人が犯人なのか」が多いので、裏の性格を書くのが大変そう。

 その点、語り手のレザランが良い子すぎる感じがしないでもないが、語り手なので仕方がない。相棒が女性ということからか、挿絵のポアロが3倍増しでかっこよく書かれている気がする。(ただ本文中はそうでもない描写なので、よけいに美化がすごい)。

  

『「このごろよく眠れないらしいとか、目の下にくまができているとか言われているとしたら、それは青鉛筆のせいよ。」
 可能性はある。パーティー会場で、全部の男性からダンスを申し込まれないと気がすまないような人を、わたしは何人も見てきた。』

『でも、やはりなにもわかっていないのではないか。それくらい天真らんまんに見える。』

 

『このへんてこりんな小男が鋭い目の持ち主であるのは間違いない。』

 

 

 

 

 

 

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プラネタリウムの外側、息吹

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易者の予言「○○はいついつに死ぬ」に乗っかって○○を殺す、と云うようなミステリがあります(予言と殺人で因果関係がループしてる)

 

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