まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

アンの青春 上

 

 ・ばばーんとギルバートくんが表紙に出ているが、あまりギルくんは出てこない。
というかめちゃくちゃ普通の青年になっている……。ふたりの進展はまだないッ。

 

・強烈なおとなりさん、髪が寂しくなりがちなハリソンおじさんとのやりとりからスタート。

・アンは学校の先生になり、大人っぽい感じになっているが、まだまだ16歳。女子会4人ピクニックになると想像全開。アンの想像についていけるプリシラがかわいいと思いました(棒)。
 アンがティーンになり、ますます挿絵が少女漫画っぽくなる。(ギルは超イケメンに)。

 

・ポール・アーヴィングとかいう超絶美少年の生徒(という記述はあったかどうか……とにかく挿絵では美少年)。いいこすぎる設定。

・対して、アンとマリラが世話をすることになった双子のデイヴィーとドーラ。天性のいたずら少年と手がかからなさすぎるドーラ。あまりのわがままっぷりに、デイヴィーが十年後に超イケメンになって戻ってくるところを想像しないとつらい。女の子の背中に毛虫を入れるとか、ドーラを閉じ込めたりとか許されざるよ。イケメンになりますように……。
 この世界では誰かが親戚の子どもの世話をするのが当たり前なのだろうか。助け合いの精神。こういう多動症の子ってどうすればいいのだろう。

 

・悲観的なイライザと楽観的なキャサリン。表現が辛辣すぎて草。

ミス・イライザというのは、涙というのは人生の谷間であり、笑うのはおろか、ほほえむのさえエネルギーのむだで、けしからんという感じの人でした。この”アンドルーズ家の娘たち”は、五十年あまりずっと娘のままで、この世の旅路の果てまで結婚することはなさそうでした。

 

・河合先生の訳が炸裂。なんというか、訳が楽しすぎて、「なんでこんな展開になるんだろう」と自分で思いたくなるのではないかと思う。つまり、ストーリーを考えた人と、訳した人(文を考えている人)が別々というのが信じられない。それくらい、挿絵もそうだが、全体のデザインがビシっと決まっている気がする。

マリラのただひとつの弱点は、自分の義務と思うことには身を粉にしてがんばってしまうところだとわかっていましたので、アンはじょうずに話をそちらに進めました。

 ・マリラはまじめすぎたのよ……。

 

・中盤、公会堂の屋根のペンキを緑色ではなく青色に塗ってしまい、村中が失意のずんどこに落ちることに。アンは落ち込みすぎて泣く。……そんなにまずいことなのかしら。青い屋根はよろしくないのだろう。

・途中、アン先生が1日中ヒステリーとイライラを起こして、イタズラ生徒を叩くことに。ふだん優しい先生がブチ切れると怖いよね……。結果は良い方向にころがり、アン先生と不仲だったアンソニー・パイくんは先生を認めることに。

・こいつらいつも自家製ケーキ食ってんな。

・奥付を見て気がついたが、挿絵担当の榊アヤミ先生、この作品がデビュー作なのかー。