まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

戦争を演じた神々たち

 

 1994年、『戦争を演じた神々たち』で第15回日本SF 大賞受賞。

収録作
Ⅰ 神々
天使が舞い降りても

・豪華客船の船長と、怪しい老人の客。船長の過去。

 ”クリエーター”:彼らは多くの惑星で「境界上の神」として姿を現す。一番有名な話は、不作の農耕地帯だった惑星セチで、季節をつなげた。

彼らには時間と空間についての高度な理論および技術体系があり、クリエーターたちは特殊な器械に入って、何もないところに世界を作りだしてゆきました。

 

おまえは最初の母を失った絶望を、あとから自分の人生に現れたものすべてにおしつけてまわったのだ。自分自身にさえおしつけたのだ、プログラムされた機械のように。

カミの渡る星

・追放されたロボットの王。

 

テクノロジーによってわれわれは物理的に、そして精神的に、細部まで互いには入り組み、くまなくつながります。トーテムを介して情報が絶えず流れ込み、流れ出してゆくシステムを、われわれは構築したのです。

 以上の物語は小マゼラン雲で取得されたメモリ・チップから取得された。
 おそらくこの聖域にあったと思われる惑星国家の文化的政治的状況を描写したものと推察されるが、定かではない。

Ⅱ 女たち
宇宙で最高の美をめぐって 
・彫刻から生まれた「あたし」。宇宙海賊デルフィに誘拐されて。

あとで国連の調査団が立ち入り調査してわかったことだけど、キネコキス軍はほかの何よりも人間の肉が大好物だったのね。

 失われた人名は五億から10億の間。破壊された、あるいは荒廃して人の住めなくなった惑星の数、大小取り混ぜて千あまり。


楽園の想いで

・バブル王子と結婚した女王、アンジェリカ。やがて死刑囚7人と旅をすることになり。

王は国そのものであり、生まれながらにして、国という概念そのものを背負わされた者であった。皆が認めれば王は聖なるものであり、みなが認めなければ、即座に卑しいものになりさがる。

すべての人間は王でもなく、忌まわしいものでもない。ただ、清らかなものという概念に具体的な形が必要だったのだ。それが王だった。

ラブ・チャイルド(チェリーとタイガー)
 わたしと、わたしの最低の『兄』タイガー。兄は借金のカタに、惑星環境装置(人の脳が必要らしい)になるとのこと。


Ⅲ 世界
けだもの伯爵の物語
異世界Dの家族の肖像
世界でいちばん美しい男
Ⅳ 戦争
戦争の起源
シルフィーダ・ジュリア