まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

psycho-pass asylum

 

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

 

PSYCHO−PASSのスピンオフノベライズ。主人公は悪役だったチェ・グソンと、執行官・縢秀星。

 作者はオファーがあったとき、このPSYCHO-PASSの「世界」書くべきだと判断。最初のプロットがチェ・グソン、豊久、シオンの3人、あとカガリくん、弥生、とっつぁん。

SF小説とは、現実の世界を考察し、独自の解釈を施し、新たな物語を生み出す。

 

※ネタバレ

「無窮花」

・最愛の妹との再会、歴史を復讐するお祭りのあと、壮絶な殺し合いと殺戮。クーデターと吊るされていく死体、鎮圧対象の射殺、混沌の渦。朝鮮で採用されているサイマティクスキャン「ハン」、現体制への反感かどうかを判定する。

それからの拷問と陵辱。妹もそうだがグソンも結構な拷問をされたっぽいのだけど、わりと平気な感じ。親友の自殺。精神が崩壊した妹への献身と、グソンがシビュラシステムに反感を持ったわけ。(妹があっさり殺されて、殺されない人物がいる)

・「ハン」を構築するために多くの反体制派に拷問をしてデータベースを作った。

・朝鮮の描写がすごいのに、このあたりの参考文献が全然書かれていない。もともと得意な作者なのかしら?

・歴史的には、2020年に中国のバブルが崩壊し、地方軍閥中央政府の殺し合い、インド、パキスタンムスリム、ヨーロッパが戦争に突入。終わりなき非正規戦。そのなかであの日本が誕生した。

ここらへんにぴったりな言葉が見つからない。見つける時間を惜しみたくない。

・生体力場:どうもPSYCHO-PASSの造語らしい。

 

 

・王様レストラン、って聞いたことがあると思ったらやはり寺村先生か……。内容は覚えてないけど、卵好きの王様とライオンとか出てきそう。

・たぶん今の私が、超うまい料理を食べたら泣くと思う。ただ料理漫画で泣くシーンってけっこうベタだ。うまい料理は涙腺に来る。

 

・犯人・は、廃棄されるべき残飯を加工して食事をつくっていたらしい。さすがだぜ。ただ傍点が多すぎてしんどい感じはある。ルビは好きなんだけど傍点は。