まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

第6回ゴッドガンレディオお返事

 ・ラジオで拙作に言及くださったので、お返事記事です。

・言及は2:03:00ごろから

 

あらすじ

”地球にスパイに来ていた宇宙人であり女子高生のエリスは、ある日SF研究会を訪れ、母星では絶対禁書とされていた ”SF小説” に出会ってしまい……
「こんなものは発禁だッ!」”

 

●さらっとしたラスト
 答えから言うと、時間がありませんでした。作品は17,000字ですが、実際は20,000字くらいまでは書いていて、最後まとめるために急きょラストをなくしました。(アサクラ長官は3倍くらい喋ってた)。
 サボったつもりはまったくないのですが、前回の実作が14,000字だったので、まあ成長はしたのかなと……。

●ヒュウゴの成長
 本当はヒュウゴ君も何かしら成長(?)する予定だったのですが、入りきらず。自分はSF好きだけど将来何をしたいのか悩んでて、でもエリスには大きな使命があり、感化されて、エリスの惑星にまで名前が届くように有名になる、というベタなあれですが。

●エリスが自分のことをSFとして話す
 ラストシーンは締め切り直前にがんばってひねり出したのですが……(笑)。ただたくさんSF本を紹介しておいて、結局この作品自体がSFでは、というのはサブテーマみたいなものですね。
 高岡先生の構想(?)は興味深いですね。法月先生に米澤穂信さよなら妖精 (創元推理文庫)』を薦められたのですが、似ているかもしれません。ユーゴスラビア人の女の子が大学のサークルに来て、いろいろ疑問を提示し、去っていく話でした。

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

 

 

●ヒュウゴのポジション
 悩みどころですが、彼はSFオタク(?)であるにもかかわらず、リアクションがちょっと薄いので、ポジションが微妙です。それは私自身がSFオタクでないのと、おそらく何の分野のオタクでもないのと、あまりオタクを表現するのが好きでないというのもあって、少し困ってます。いくらSFをバカにされても「しょうがないよね」と笑うヒュウゴ君はストーリー的にはどうなのかと。ヒュウゴを怒らせるのが今後の課題かもしれません。(人が怒るのを書くのが苦手なので)。人の好きなものを蔑むとかいうリアルな嫌なことを書くのが苦手で。


●どちらかというと私自身がSFに興味がないセナ女子っぽいので、書いてて楽でした。主人公をオタクにせず、わき役SFオタク vs SFをバカにするエリス でギャーギャー言わせた方が良かったかもしれません。主人公の影がどんどん薄くなりそうですが。(主人公がなぜか「まぁまぁ」となだめるポジション)

●ジャンルひとつひとつの掘り下げ
 私自身があまりSFオタクでないのもありますが、それぞれのジャンルの「面白いところ」をもっと掘り下げたら良かったなと思います。会話のやりとりのなかで書名がいっぱい出てくるとジャマになる感じになるので、エリスの日記をもっと書けたら良かったかも。『エリスのSF読書日記★』みたいな。ブログみたいになりますが。
(エリスが機密保持で惑星のことをまったく話してくれないので、困りました。カジオ君の勘が鋭すぎて助かりました。エリスが秘密を話さざるを得ない状況を作った方が良かったかも。くっころ。)

 

●講義では
 編集者の方から、『来たるべき読者のための「初めてのSF」』のテーマに答えている、ということで加点をくださり。大森先生からは「『ハルヒ』がもうすでにあるので、こういうのはもういらないかな……」という感想。

意見交換会では
 ・SFジャンルのひとつひとつの掘り下げが少なく、消化不良感。
 ・もっとオタクが出てきてもいい。作者がオタク嫌いなら、それを出してもいい。
 ・一人称で書いたほうが良かったのでは?

参考文献: 

クリエイターのためのSF大事典

クリエイターのためのSF大事典

 

  

翼を持つ少女 BISビブリオバトル部

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