まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

自生の夢・ポリフォニックイリュージョン

 ・ヨンダ、ヨンデナイ

ポリフォニック・イリュージョン

ポリフォニック・イリュージョン

 

 ・飛浩隆(とび・ひろたか)先生の初期作品集、と自作解説、と批評。それこそ何十年も前のデビュー作からとんとんと。言うのも変だが成長というか軌跡を感じられる。ご本人も「これはノンフィクション」と仰っていたように、

・著者は21歳のとき『ポリフォニック――』でデビュー。作家歴30年以上。『象られた力』で星雲賞日本SF大賞を受賞。『自生の夢』で第41回星雲賞日本SF大賞を受賞。島根県で今も書いておられる兼業作家。

・作品についてはまた追記

 

 

自生の夢

自生の夢

 

 ・日本SF大賞星雲賞を取られたもの。

73人を言葉の力で死に追いやった稀代の殺人者が、怪物〈忌字禍(イマジカ)〉を滅ぼすために、いま召還される───

 ・「匂いがしないな」「こうして来客があれば、上の世界が良い天気か雨か、匂いでわかる」

・人間がフリーズする。使い慣れない単語を話そうとして記憶を探ったのだが、その過程の重要な部分を、イマジカは破壊した。個性、彼女が13年かけて構築したウォンという設定が壊れたために、参照を実行できなくなっていた。

・言葉だけで相手を自殺に追い込める天才。

・「私は本をほとんど読まない。中学でちょうど700冊読んだが、それでもう十分だ。読書なんてただの基礎トレーニングだ」

・書きもののいっさいがっさいを飲み込んでいく

・電子化によって、これまで一度も参照されなかった文書が、参照されるようになった。図書館にしまってあるかぎり、書かれたものは、ただの紙とインクである。開かない限りそこでずっとおとなしくしている。

・企業体としてのGobelはとっくに精算されていて、多くの民間非営利団体が共同管理しています。