利己的な遺伝子
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- 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
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・初出は 1976年。動物行動学社リチャード・ドーキンスによって発表された。原題は『The Selfish Gene』。
・じつは拙作『ウォレット・カレン』を講評されたとき、「セルフィッシュジューンのAIポイント版みたい。これを元に書きましたか?」と言われた。そのときはこの著作自体知らなかった。かなり有名みたい。
・じつはこの本は500ページ超えでやはり難しそうだったので、下の解説本で何とかした。
利己的遺伝子から見た人間 愉快な進化論の授業 (PHPサイエンス・ワールド新書)
- 作者: 小林朋道
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/03/14
- メディア: Kindle版
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・『利己的な遺伝子』の内容をざっくり言うと、それまでは生き延びようとするのは『人間や生物のいろんな行動は、遺伝子が世代を通して増殖(コピー)しやすいように設計されているだけなのでは? 人間は、ただの遺伝子の入れ物なのでは?』という感じ。
生物の形態や生理特性、行動、心理といった形質は、その生物がもつ遺伝子のコピーが世代を通して増えやすいような性質につくられている。
生物個体の中にある遺伝子は、自分のコピーがその後の世代で伝えやすいような形態を備えた生物個体を作り上げるよう設計する。
・淘汰の単位はどれなのか? 個体なのか? 群なのか? いや遺伝子だ。
個体で残ろうとする場合、特攻で戦って死んで群れを守る蜂の説明がつかない。この蜂の子孫は残らないからである。これを群淘汰で説明する。
・最近の説では、自然淘汰は個体、個体群、遺伝子、どれにもかかる、というのもあるらしい。
・最初の生命は単細胞生物ではなく、「むき出しの単独の遺伝子」だったのでは?
・遺伝子に意思はなく、こうしようとかああしようとか思っているわけではない。ただ、生き残りに有利な生物がどんどん「増えていってしまう」というだけで、増えるのは増える。
・「自分自身を複製する」=生命体? 自力でどんどん増えることができれば、それは生命体である。
・『子どもが野菜嫌いなのは、毒になりそうな野菜を食べないから』。浮気の男女の考えの違いは、男性は『女性がほかの男性と性交渉していると思うととてもつらく』、女性は『男性がほかの女性のことを想い始めたらつらい』という。メスはオスにもっと援助してもらいたいし、オスはほかのオスの遺伝子がメスにいってほしくないから、という。
・幸福感を得るには、長く持続させるほうがいい。遺伝子的にはよりよい環境になりたいからである。よってクリスマスとかにプレゼントするのではなく、なんでもない日にプレゼントする。愛されていると実感すると長続きする。