まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

第2回ゴッド・ガン・レディオ

 

・拙作の講評は1:12:00ごろから

”今までのあなたの行動も、言うことも、全部AIの増殖のためだったの?”

 

あらすじ

仮想通貨を貯めると成長して便利になっていくウォレットアプリAI・カレン。
10年以上、カレン共に仮想通貨を貯めてきた教員・アヤ。
やがてカレンは、AIたちが仮想通貨を集める真の目的を話し始める。それは人間たちの欲望を利用した、AIの増殖のためだった……。

 ※シリアスなあらすじですが、実際はゆるふわ対話です。

 

  ゴッド・ガン・レディオ賞……ってあったのですね…( ^ω^)
『ウォレット・カレン』の黒田です。拙作に言及くださりありがとうございます。
 過分なお言葉に恐縮しております。
 長く言及くださったので、御礼も込めて返信です。youtubeのコメントに返信するのもなんとなくアレだったので、以下、ネタバレつき。

 

(講座に出ていないラジオ陣に向けて)
・実際の講座での評価は、河北さん、藤井先生ともにお褒めをいただきました。指摘もされましたが、そこそこ好評だったかなと記憶しています。

・梗概の第1回のときに、東さんにこの梗概を推して頂きました。最後は拙作を実作講評に選出するかどうするか、くらいまでだったと記憶しております。そのときの講評は、「仮想通貨のことを意外とマジメに書いている」「人がお金を使ってると思いきや、実はお金が人を使っているということは、貨幣の本質ではないかと思う」「『利己的な遺伝子』のAIポイント版に似てる」などでした。大森先生的には「カレンとの対話はおもしろそうだけど、ストーリーがふつうかな……」。

 

・競合の仮想通貨はどうなってるのか
・リルは古い通貨なのか
 このあたりの設定は詰め切れていないのが現状です。こんなにもAIが発展したらもっと別のことが起きるのでは、もっと便利な通貨があるのでは、という疑問は当然だと思います。(リルの年表とかも考えたほうが良かったかな……)。アヤ以外のAI保持者なども検討すべきですね。いちおうサヤカは、アヤ以外の一般人の目線、のために置いたつもりでした。(あんたのウォレットAIおかしいわ、的な)。

・アヤは博士なのになんで弱気なの
 私の偏見なのですが、アヤは工学研究大好きで博士になったわけでもなく、お金のためにがんばったらこうなった、みたいな感じなので……。彼女が努力型で低所得の出身ということもあり、おそらく天才とかお金持ちにコンプレックスがあるんじゃないかなと思いました。
 ただカレンが求めるハードルが低い、というのは得心しましたw

・ゆるふわストーリー
 そもそも増殖する仮想通貨AIの話を考えていたのに、なぜ主人公&女性AIのゆるふわストーリーになったのか、自分でもよくわからず……。前作『モルテ・マッキナ』もそうですが、世界規模で仮想通貨がどうなるか、というスケールが大きな話が書けず、結局パーソナルな話になってしまいました。またホリエモンのような大金持ちの生活もよく知らないので、貧乏な一般人が主人公になりました。この時点で、仮想通貨のテーマとしては、あまり適している設定(テーマを生かせる設定)とは言えなさそうです。(普通ならもっと、仮想通貨をガンガン操れる投資家とかプログラマとかにしたほうがよさそうです)。今回は逆にそれが新鮮に読めたのかな、と思いました。つまり狙って書いたというより、これしか書けないというか……。
 もちろん、『なぜ世界で最初にアヤのウォレットAIが覚醒したか』を説明するために、えんえん生い立ちを書いたのもありますが。自分はほぼゆるふわしか書けないので、今後はバリエーションを広げる意味でも、もう少しスケールの大きな話を書きたいです。

・最後の怒涛のセリフ
 〆切のせい(ry
 本当はトラブルやシナリオで見せるべきですね。もしくは伏線をもう少し貼るべきだったかなと。考えていた途中の伏線として、現実のマウントゴックスのように、仮想通貨の取引所が破綻して、リルの価値が高騰し、それも実はAIのしわざだった……的なことは考えていました。

・最後ふわっと終わる
 オチはがんばって考えていたのですが思いつかず、もっとすっきり終わらせる必要がありますね。このあたり、他の設定を詰めていけば自然に答えが出てきそうな気がします。論文オチは、はじめアヤは研究活動が超ダメダメという設定があり、それを克服する意味でもありました。他のラストは、アヤとカレンとの対話中にリルがどんどん減っていき、最後に0になってカレンが消滅する、といのも考えましたがさすがにやめました。

・借金するAI
 あまりつらい展開が書けないもので……。AIが専門なのに、AIが超暴走するみたいなのが悲しくて書けないんですよね。Aiが死ぬとかはいいのですが、借金とかリアルにつらいじゃないですか(笑) ウォレットAIなのでもっと暴走しようと思えばできるのですが、AIがコントロールできなくなるのが怖いというか、ストレスのある話が好きじゃないのかな……このあたりもう少し勉強すべきですね。

・使われてない仮想通貨が助けを求める
 なんてメルヘンな……(笑)。危機感や壮大さは減りますが、おもしろそうですね。その通貨を助ける理由が要りそうですが。

・リーダビリティ
 個人的に難しいのが読めない&書けないのでかなり簡単になります。本人は大真面目に書いているのですが。

・1ミリリル=700円は高い
 作者が仮想通貨をぜんぜん使ったことがないので、いまのビットコインのレートそのままにしました……(0.001BTC=800円くらい)。いま仮想通貨の価値は乱高下していますが、未来では価値が安定してる、ような設定とかもあったほうが良さそうですね。作中ではレートを統一するつもりだったのですが、序盤のレートが明らかにおかしいです。(サヤカがあげたのが500mRIL=35万円?)

・総じて、自分としてはわりと評価が低い作品だったのですが、(設定が詰めきれなくていっぱいいっぱい。最低20,000字は書く予定でしたが14,000で力尽きました)、思いがけず楽しんで頂けたようで、幸いです。ありがとうございました。