伊藤計劃トリビュート
・『ゲームの王国』 途中まで
・尾行を気にするシーンからスタート。
・郵便局で荷物を抜き取る男、切手をはがす男。
・『ここ数年は、真実よりも嘘を話している量のほうが多い気がする。口にでかかった言葉を一度棚の奥にしまい、別の言葉をっ別の棚から引き出してくるのが癖になっている。』
・資本家は設けたお金で機械を買い、労働者をクビにする。
・尻は資本家であり、女性器が愚かな政治家であり、男性器が革命的マシンガンである。
・「おじちゃんは死んだよ。」紙に書いてある「まだ何も喋るな。」。
・『一度偉くなってしまえば、みなが彼を正しいと思う。何か間違ったことをしていても、自分のほうが間違っているのではないかと思い込む。俊足のペンのように。』
・二十一日間、土だけを食べて生活する。地面でマスターベーション。
・あとがき(伊藤計劃氏に向けて)
『すべての小説は「血で書かれたもの」と「インクで書かれたもの」の二種類になる。
血で書かれた小説は、本を閉じて日常の世界に戻ったあとも、眠りについて目が冷めたあとも、何年も立って小説の内容を忘れてしまったあとでさえも、僕達を呪い、縛りつけ、どこか孤独で憂鬱な気分にさせます。
あなたが残した数少ない作品は、どれもぼくにとってかけがえのない「血の小説」でした。
あなたの亡霊を探すのではなく、あなたに近づこうと試みるのでもなく、ひとりの作家として、自分なりの「血の小説」を追い求め続けること、それが僕にできる唯一の『伊藤計劃トリビュート』だと思っています。
たった一行でもいいので、拙作のどこかに僕の血が滲み、そのノイの言葉が、生臭い匂いが、あなたの作品の残り香になっていれば、これ以上の喜びはありません。(小川 哲)』