まほうのことば

小説の新人賞などに応募しています。本の話や創作の反省。黒田なぎさ

やればできる国

・訪日外国人の数が2倍に。現在進行系でガンガン進んでいる改革を見ると楽しい。 

世界一訪れたい日本のつくりかた

世界一訪れたい日本のつくりかた

 

・2015年発売の『新・観光立国論』『新・所得倍増論』の著者の方。あれからいろいろオファーがあり、政府プロジェクト?の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」 などにも呼ばれている。今回は改革の結果の展望と、これからのプロジェクト。

・本を読もうと思って1ヶ月、ここまで小説に手をつけていないというのがわりとひどい

・日本の訪日観光客は、2013年の1000万人強→2016年の2400万人までジャンプアップ。いろいろがんばって、2020年までに4000万人までが目標になったらしい。すごい。

・基本的に、遠くへ海外旅行するほど、長く滞在し、多くのお金を使う。隣の韓国へは2泊3日でいいが、ヨーロッパに行ったら1週間位はいくだろう。逆に考えて、ヨーロッパ、アメリカから遠い日本は、多くのお金を落としてくれるチャンス。

・いままで日本の観光業は、おもに国内向けで、GWや連休にドカンと人が来るのをさばくのが目的だった。(中国からのツアーもこれにハマっていた)。が、今後は客ひとりひとりの満足度を上げ、リピーターを増やし、落とすお金を増やしてもらう。

 ・いろいろ頑張った結果、これからは頑張ったお店がんばらなかったお店がくっきり分かれるようになり、 残酷な光景になりそう、とのこと。すでに観光地のお土産屋さんで起きている。

・日本の自然が豊かな理由は、災害が多くてドカンドカン自然が壊れるので、生態系が度々ひっくりかえり、結果として豊かな生態系があるのではないかとのこと。

・文化や文化的遺産だけで売っていくのはきびしいので、自然ツーリズムを行うこと。日本はこれが全然できていない。つまり釣りとかスキーとかキャンプ。そちらのほうが長く滞在してくれる。

・フランス人は意外と旅行しないので、狙っていくのは「ドイツ人」である。フランス語のパンフはまあ……

・パンフレットに「交通アクセス』情報を入れる意味について。いるかしらん。

・「So what ?」

 

・説明文&キャッチコピー、日本語→英語の翻訳はかなりやばく、正確に翻訳できたとしても、そもそも「外国人に意味がわかる事柄なのか」「外国人が興味があるのか」などは全然クリアできていない。誤解を生まないためにも、翻訳ではなく、「外国人が1から文を作る」ほうが無難。

・多様性、多面性を意識する。つまりどこにキョーミがあるか、をいろいろ考えておく。

・アメリカは訪米観光客数は2位だが、収入だと1位。6.7%の観光客から、世界の観光収入の16.5%を稼いでいる。うへえ。

・日本は人口で見ると空港がかなり少なく、5つ星ホテルがない。

・ノスタルジーな写真ってどう。つまり日本人が「いいなあ……」と思う写真と、外国人がいいなと思う写真はおそらく違う。

・IRがやっぱり必要。総合リゾート施設は、富裕層だけでなく一般層も楽しめる。

 

・文化とスポーツが似ている。アメリカのスポーツ収益は60兆円、日本は4兆円、ちょっと低すぎる。オリンピックのメダル獲得数(国民一人あたり)も、日本は30位以下。アメリカも少し前まではスポーツ収益だめだったが、野球スタジアムを誰にでも楽しめるようにした。下手をすると、野球を知らない人でも楽しめる施設に。

文部科学省は「教育・文化保存」が主なので、収益・産業化には向いていない。スポーツと文化財文部科学省から切り離し、「文化・スポーツ・観光省」を作ったほうがよい。サッカースタジアムではサッカーを見るべき、文化財の良さは分かる人だけわかればよい、というのはだんだんマニア向けになってきている。マニア向けの文化はやがて廃れる。サッカーに興味がない人でも楽しめるように。

・今回の改革を見て。”アナリストをしていた時代から、日本はなかなか改革が進まない、構造的な問題を放置し続けるという問題があるものの、ひとたび手をつけるとものすごいスピードで社会が変わっていくと実感していました”