SF大賞まつり
・ヨンダー
・早逝した伊藤ケイカク氏作のプロローグを、円城塔氏がひきついで書いた。SF大賞の特別賞受賞。のちに映画化。正直このカバーは映画販促カバーなので、本当はまっくろくろの無骨な表紙。こんな感じ。
★死体を機械でよみがえらせて使役できる19世紀のイギリスが舞台。屍体技師?の主人公はスパイとして世界を転戦するうち、屍者を使った恐るべき兵器と、屍者の本当の仕組みを知る。
★ 気になったところ
・常に痛覚を刺激して運動性能を引き出しています。地獄の苦しみですね。
・あなたは他の人間の魂をどうやって感じますか?それは独我論だ。この世界で魂を持つのは自分一人なのだと主張する。他の人間からの説得で、自分を独我論者と認めることは起こり得ない。
・人間にいろんなプログラムをインストールさせて強化する。キアヌみたい。カンフーをマスターした。
・人民への奉仕のために自ら命を絶つわけだ。その方がより有益な社会を設計できるからな。屍者のほうがよりやくにたつわけ。
・彼女は理解できない。ロボットだからね。彼女は私がグラントを殺したいほど憎んでいると決めつけている。彼女はずっと計算している。最高の舞台、最高の状況でグラントを殺すと思い込んでいる。しかし私はそのつもりはない。→ 抜けられないループ
・バーナビーは味方ごとぶっとばす。そっちのほうが、敵も予想はつかんだろう。
・機械ごしに話そう。そいつが筆記する。それでいいかい?サラサラと書き始めるからな。
・わたしは世界を見た。ワクワクした。
・最終的に『意識』は、なんか虫みたいなものが代わりに人間を動かしている、ということになった。それか『言葉』か。虫の多数派と少数派がゴニョゴニョしているらしい。言葉による菌株の不死化。
・ラストシーンはずるいのでは。視点を変えては。
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/08
- メディア: 文庫
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・SF大賞受賞。おそらくたくさん映像化された。娼婦だった主人公が詐欺師に殺されるも、最高級の機械の体を手に入れ、敵をボコボコにする話。自分から離れたすべての機械を操作でき、なんにでも変形できる最強の相棒とタッグを組む。第1シリーズは3巻まで、このあとシリーズは続く。
★なかなか本編に行かなくて、すごいと思った。1巻の終盤で本格的バトルが始まり、2巻からはカジノで賭博ゲームがはじまる。(カイジみたいになった。)このカジノ編がめちゃ長いのだが、(おもしろいけど)これでいいのかという感じもある。ルーレット、ブラックジャック前半戦、ブラックジャック後半戦とめちゃ長い。でも何回も読み返す感じにはなる。(難しいから)
★気になったところ
・スナークの描写。すべてわかるという描写
・敵側のかませ犬感。でも長い過去がある。
・カジノでの描写。よく「これでいけるな」と思ったなと思う。(超長い)。バトルじゃないんだぜ。地味ですごい。いやおもしろかったけれど。