『持たざる者』 金原ひとみ
・『蛇にピアス』の作者。作者は 2012年にパリに移住。その後の著作。
・原発だったり不倫だったりいろんな問題を抱えた4人の男女の話。
★ 気になったところ
・1話目が暗くてつらかった。2話目からまた暗いけどわりとすすんで、3話目が好き。4話目は暗すぎた
・イギリスが舞台の3話目がお気にいり。(フランスにいたのにイギリスの話。そういえば)
自由奔放な妹、人のことを何も考えてない妹と思いきや、妹の一人称ではわりといろいろ考えている。と思いきや、また他人からの視点だとやっぱりこわい。なかなかこういうのって書けない。1人の人の多面的な部分。
・シンガポールだとじめじめ
・『ここでは何も変わらない。(略)ここには何もない。心が躍るものが何もない。そう思った。心が躍らないということは、粛々と、淡々と生きていくということだ。
(略)いま日本に帰ったら、私はあの国に巣くう焦燥感に体を端々から食われて消えてしまいそうな気がする。』
・フランス人やベルギー人のセリフがそれっぽい。いちど翻訳してるのかも。ふつくしいセリフ。でもぱっと読んだだけではわからないくらいで好き。
・SNSやショートメッセージの描写がいい。ただわからない人にはなんのこっちゃわからないと思う。
・日本人はそんなに働いて疲れないの? →日本人はいつも疲れてるの
・『日本では楽しいことがすべて。楽しくないと死ぬ』みたいな文があったけどどこだったか
・この定規に閉じ込められている人がいるの
『ある日家に帰ると、部屋の真ん中に大きなたまごがあった。』
・『きっと彼は「女のことはよく分からない」と過剰に女と男を切り離して考えているんだろうと思った。』